今では窓も崩壊し、開けっ放しになった窓から植物が侵入しているこのバラック。
確かにかつては飲食店として営業していました。

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確実にわかっているのは、平成24年(2012年)の10月12日から『居酒屋Go』として営業していたということ。
立ち退きエリアでのオープン、それも「ボロすぎる居酒屋」としてのオープンでした。
こんな場所でイタリア料理が食べられるなんて本当?といった感じで、一部では話題にあがったようです。

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両親ともイタリアンシェフの店主は、18歳の時に最年少でイタリア視察団に参加し、イタリアを訪れました。
その後、22歳でイタリア・ミラノの料理学校(ピザ・スクール)を卒業、ピザ・チャンピオン店での修行を経て、イタリア・フィレンツェでレストランを経営。
日本へ帰国してからも、イタリア料理のレストランを複数店舗経営していました。
そのうちの一つが『カンティーナ』だったようです。 
 
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ところが、37歳の時、2度目の交通事故に遭って足を負傷し、車椅子生活になってしまいました。
医師からは「完全には戻らない」と宣告され、一時的に失業したそうです。

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その後、シェフはどん底から這い上がる精神でリハビリに励みます。
そしてついに、二年半のリハビリで杖があれば歩けるほどにまで回復したシェフは、このバラックで居酒屋Gоをオープンしたとのことです。

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店内は10坪、カウンター9席、ボックス1席、床が傾いている個室、汲み取り式トイレ(立ち退きエリアなのでリフォームができない)という環境下、16時から翌2時まで定休日未定で営業。

見てください。Goとして営業していた頃のピザやパスタを。
とても美味しそうです!

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こちらはそらす様より提供していただいた、当時のドリンクメニュー。(ピザの写真もそらす様)
そらす様のブログ、そらすの喰歴2 http://sorasu2.blogspot.jp/ 2013年9月4日 居酒屋 go @船橋 「ピザ」 に、当時の様子が詳しく書かれていますので、ぜひ。

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さて、平成24年10月12日にオープンしたGoですが、翌年、平成25年8月1日には閉店しています。
と言うよりも、店主は千葉の新しいレストランに行き、一緒に働いていた男性にこのバラックをバトンタッチしているのです。
そこからここは、居酒屋ちゃあちゃん、もしくはちゃーちゃんの店、もしくはKになったのではないかと思います。
または、Goがオープンする前もこのバラックは居酒屋だったとのことなので、それがちゃあちゃん、ちゃーちゃん、Kのいずれかだったのかもしれません。

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ここでまた一つ、疑問が生まれました。
おせち料理のチラシに載っていた『サルーテ』を検索してみたところ、食べログに情報があったのです。
食べログの写真を見ると、このバラックみたいな要素はゼロで、本格的なオシャレストランって感じ。
電話番号も一致していますし、同じ店であることは確かです。
しかし、住所は千葉県千葉市若葉区〇〇〇〇

そして、平成23年(2011年)12月に訪問した女性の、「ホームページを見ると開店して24年って書いてあります」というレビューを発見。
確かその時期は失業中・リハビリ中だったはず…??
サルーテのホームページは、探したけれど見つかりませんでした。 
また、ぐるなびには、平成23年(2011年)から平成24年(2012年)に数件、レビューがありました。


後日、再び検索すると、ぐるなびのページが変わっていました。
そしてそこには衝撃の新情報が書いてありました。

『市川~千葉で29年目リストランテ・サルーテは今年2015年11月千葉モノレール千城台北駅付近に移転オープン致します』

『イタリアをこよなく愛しフィレンツェにオフィスを構え常に現地と日本の旬を盛りこみ素材感を最大に引出す味わい(以下略)』


話をまとめると、若葉区のサルーテは24年前からずっと営業していた、そこ以外にも市川~千葉で店舗を構え、総合すると29年、このバラックのGoは支店のようなものだった、ということだったのでしょうか?
事故の後は、サルーテを一時的に誰かに任せていたとか、そういう感じ?
そして若葉区のサルーテは千城台へ移転…もうしたのかな?

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なんとなくスッキリしたところで、探検を続けます。
何にせよ今、このバラック、居酒屋Go跡地の時は止まっているのです。
そして、他のバラックのように崩壊するのが先か撤去されるのが先か、という状態なのです。

もちろん、サルーテには 行ってみたいです。行けない距離ではないし。

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よく見ると、キッチンの捕鼠器の中には、ミイラ化した鼠が一匹永眠していました。
ハエもウジもいないことのほうにびっくりです。
最後のお客様は、この鼠か。

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