私は、外食をする時、子連れのお客様の近くには座らないようにしています。
子供が苦手だから、うるさいのが嫌だから、っていうのもありますが、その親にイライラすることが多いからです。


その日私は、自分への褒美として、一人でレストランに行きました。

隣のテーブルには子供を二人連れた夫婦がおり、三歳ぐらいの男児は店内をうろちょろ、五歳ぐらいの女児はストローで飲み物をぶくぶく吹いていました。
バタバタと走り回る足音、ぶくぶくゴボゴボと詰まった排水溝のような音、注意しない親。その時点で私の気分は悪くなりましたが、まだ我慢できました。
しかし、私のテーブルにステーキが運ばれてくると事態が悪化したのです。


まず、男児が駆け寄ってきて、椅子の上にあった私のバッグを落とし、隣に座ろうとしてきました
さすがに父親が注意し、男児を抱き上げて回収してくれましたが、男児はギャン泣き。私の顔を見ながら泣くもんだから、まるでこっちが泣かせたような嫌な雰囲気に。

次に、私がステーキを切っていると、女児が身を乗り出して覗き込んできました。
わたくしの手の動きに合わせて女児の顔や目が動きます。他人に見られながら食事するのは、とても不快です。
嫌だなあと思いながら食べ始めると、女児が私のほうを指差し、甲高い声で叫びました。


「ママー!あの人のステーキから血が出てるよー!」


すると、母親までもが信じられないセリフを吐きました。


「牛さん痛い痛いねー、血が出ちゃってかわいそうにねー」


さすがに自分の耳を疑いました。とんでもないクソ親です。
豪快に吐いて、親子のテーブルに吐瀉物をぶちまけてやりたかったですよ。



気を取り直し、ステーキを切っては口に運び、味わう私。すると、またしても隣のバカ親子がこちらを見ながらクスクス笑っているではありませんか。
母親が小声で「いたたたた!」と言うたび、女児がクスクス笑っています。


ん?……これはまさか……



そうなんです。その、まさかなのです。
その母親は、私がステーキにナイフを入れるたびに「いたたたた!」と言っていたのです。
最悪な気分を飛び越えて、絶望的な気分になり、食欲もすっかり失せました。
こんな事になるなら、とっとと席を移動すれば良かったです。



こんな事もありました。
とても空いているファミレスで、私の他には三つ向こうのテーブルに赤ちゃん連れの女性が二人いるだけだったのですが、なんとこの女性二人、堂々とオムツの交換を始めました。

「他にそんなに人いないし、いいよね。ここでやっちゃうわ」
「じゃあ、うちの子も今やっといちゃおう」

二人はその後も「ちょっと下痢気味で緑色うんちさんだった」とか「うちの子は今コロコロうんち」などと、大便の様子を長々語り続けました。
よっぽど苦情を言ってやろうかと思いましたが、こういう人って注意すると逆ギレするんですよね。「赤ちゃんのは汚くありませんから!」「産んだことないからわからないんでしょ?」とか。
 


もちろん、子連れじゃなくても不快な人間ってのはいます。
例えば、某ファーストフード店で遭遇した女子高生数人も酷かった。椅子の上で膝を立て、パンツ丸見え。携帯電話から音楽を鳴らし続けながら、大声で談笑。

「飲み会どうしよっかな。ガキおろしたばっかりだし」
「あたしも生理来ないんだよね。つーかどっちの子?って感じ。つーかま〇こ痒い
「そういえばさー、B組にシンショー(身体障害者を侮辱した言い方)みたいな奴いるのわかる?あいつち〇こでかいらしいよ」
「でもあれじゃあ童貞っしょ。絶対無理」

そういうの見ちゃうとさ、『みんな本当は良い子』『見た目で判断しちゃダメ』なんて菩薩のような言葉は、はいはいはいはい神話神話!と思ってしまいます。


私も錯乱モードに入ると、人目も気にせずとんでもない事をしてしまうので、あんまり他人のことをどうこう言える立場じゃないんだけどね…